夢見る50代に突き刺さる現実。田舎移住にかかる「見えないコスト」と「捨てることになるお金」の話について、第2回です。
3.「田舎は生活費が安い」という幻想と真実
「田舎に行けば家賃がタダ同然だから安く暮らせる」
これは半分正解で、半分間違いです。大阪市内生活と比較してみましょう。
| 項目 | 大阪市内(現在) | 田舎暮らし(想定) | 備考 |
| 住居費 | 高い | 激安 | 空き家バンクなら月数万〜 |
| 食費 | 普通 | 安い? | 畑をやれば安いが、スーパーは高め |
| 車関係 | 不要 | 激高 | ガソリン、車検、税金で月3~5万増 |
| 光熱費 | 都市ガス | 高い | プロパンガスは都市ガスの約1.5倍〜 |
| 交際費 | 飲み代 | 地域費 | 自治会費、寄付、冠婚葬祭費 |
特に痛いのが**「車」と「プロパンガス」**です。 家賃が浮いた分が、そのまま車の維持費にスライドするだけ、というケースは珍しくありません。 「生活レベルを落とす」覚悟がなければ、総支出は意外と変わらないのです。
4. それでも私が「早期退職」を検討する理由
ここまでネガティブな数字を並べましたが、それでも私が早期移住を諦めきれない理由。 それは**「健康資産」の価値**です。
60歳、65歳で定年退職し、退職金を満額もらった時。
- 古民家の屋根に登って修理できるか?
- 荒れた畑を耕す腰の強さはあるか?
- 新しい地域の人間関係に飛び込む気力はあるか?
お金(金融資産)は定年まで待てば確実に増えます。 しかし、体力と気力(健康資産)は、今この瞬間から確実に目減りしていきます。
「お金はあるけど、体が動かないから田舎暮らしは諦めて、便利な駅近マンションを買う」 これが最も皮肉で、ありそうな未来だからです。
結論:感情で夢を見て、数字で計画する
私が今出している仮の結論はこうです。
- 退職金の減額分は「授業料」と割り切る (その分、長く健康に田舎暮らしを楽しむためのコスト)
- 60歳までは「小商い」で食いつなぐ (貯金の取り崩しを最小限にするために働く)
- 大阪にいる間に「稼げるスキル」を身につける (田舎で時給の仕事以外に、ネットで稼ぐ手段を持つ)
定年まで勤めあげるのが「正解」で、辞めるのが「無謀」なのではありません。 **「自分の人生の残り時間を、何に投資するか」**の違いだけです。
私はもう少し、電卓と睨めっこを続けます。 もしあなたが同じ悩みを持っているなら、一度、会社の就業規則(退職金規定)と、ねんきん定期便を並べて、自分だけの「損益分岐点」を計算してみてください。
そこから初めて、本当の夢への道筋が見えてくるはずです。
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